「一人ひとりを大切にする学校を目指して-課題のある子に寄りそいながら-」
1.効果のある学校とは
本校は、人権講話、人権ゼミナール、人権授業公開など人権・同和教育を推進に努めています。今、生徒にとって生活環境や学力・仲間づくり等で厳しい状況があります。さらに、子どもたちが抱えている課題もみえにくくなっています。
人権教育の目標は、「生徒が、発達段階に応じ、人権の意義・内容等について理解するとともに、『自分の大切さとともに他の人の大切さを認めることができること』ができるようになり、様々な場面において具体的な態度や行動に現れるようにすること」と定義されています(人権教育の指導方法等に在り方について[第三次とりまとめ])。
人権教育はすべての教育の基本であり、教職員の姿勢そのものが人権教育の重要な部分を占めています。さらに、生徒一人ひとりの大切さを強く自覚し、一人の人間として接しなければならないし、正義が貫かれるような学級・学校になるようにしていきたいと思います。
※効果のある学校をつくるために
- 生徒のその背景まで理解する……授業以外での子どもとの対話、課題のある子の家庭訪問等を大切にする。
- 一人ひとりの力づける集団づくり……自分は必要な人間であることを実感させる取り組み
- 基礎学力定着のためのシステム……一人ひとりの学力を保障していく考えに支えられた学力定着のための工夫
- チーム力を大切にする学校経営……教職員同士の間でも互いを尊重する態度を大切にし、指導上の課題について話し合える環境をつくり、課題に対してチームであたる
- 地域・家庭と連携する学校づくり……地域・家庭から協力を得るとともに、地域・家庭へ積極的に働きかける。
- リーダーシップの存在……管理職を中心に、教務主任・研究主任・人権教育主任・生徒指導主任・学年主任等が責任を明確にして取り組む
人権が当たり前に尊重され、一人ひとりの人権が大切にされ、生徒の居場所が学校内にあれば、生徒は心にゆとりを持ち、学習に対する意欲も増してきます。先ほどの学力調査の結果からそのことが立証されています。本校は“誠実で信頼される人に”の建学の精神をもとに生徒一人ひとりを大切にした教育活動を行っています。生徒一人ひとりの人権を大切にする取り組みを行っている学校は生徒の学力・進路保障が十分できているという結果がでています。このように、人権と学力を両輪にして学校教育活動を進めている学校を効果のある学校といいます。本校も効果のある学校を目指して、人権教育を充実させることによって、生徒一人ひとりの学力保障・進路保障を充実させるよう努力しています。
2.人権教育指定校として本校が取り組む4つの目標
- 3年間、6年間を人権・同和教育のプログラムや日々の教育活動を通して、差別や偏見を見抜く感性を持ち、正しい知識から差別や偏見を許さないという態度や行動できる生徒の育成
- 学力・進路保障
- 課題のある生徒を中心にすえた学級集団つくり
- 生徒の自己コントロール力の育成
人権・同和教育を学習する上で最大の難しさは、学習者のほとんどが「部落差別はいけないこと、いじめはいけないこと、ダメなこと」という社会規範をすべてもっているところからスタートしなければならないころにあります。つまり、すでに「わかっている」ことからにもどってくるという学習になってしまうことです。
こうした学習の積み重ねは、最初のころは新しい知識を学ぶことになるが、回を重ねれば重ねるほど「またか…」とか「もうわかっている」といったいしきがおおきくしてしまう。このような現実をどう変えていくか。これまでの人権・同和教育の取り組みにどんな問題点があるのか。を問い直したときに、
- 「規範の強制」から「人間としての生き方を問う」学習への転換をはかること。
- 「受動的な学習」から「能動的な学習」への転換をはかること。(例えば参加型体験型学習などの工夫をする必要がある)
3.人権教育の推進にあたって重視すること
- 人権教育の4つの側面の一つである人権を通じての教育の重視
- 自尊感情とコミュニケーション力の育成を中心とする豊かな人間関係づくり(仲間づくり)
- 豊かな出会いを通じての「生き方」についての学び
- 生徒主体の学習に向けてのカリキュラムの構築(6年間・3年間の系統だった指導計画)
- 課題のある生徒を中心にすえた学級集団づくり
人権・同和教育年間学習計画作成の前提としておさえておくことは、まず、【生徒の実態及び生徒を取り巻く状況を踏まえて作成していく姿勢】が必要です。そして、【生徒の実態把握に始まり、生徒の変容の姿で終わる】、学習展開ができるような学習計画を作成する。
確かな実践は感動をよび
感動は人を動かすと信じています。
確かな実践と取り組みを発表し、大きな一歩を歩みます。